再生エネルギーがベースロード電源となる条件

首都圏の大停電が想定できないほどの人的・経済的被害をもたらす。—NHKスペシャル—

以前、ドイツの電気料金は安いという記事を書いた記憶がありますが、これは将来の予測値であり現実には、2017年のデーターで一般家庭で1kWhあたり38円と世界でも高い方にランクされているのです。

太陽光発電のコストが最新の設備償却の条件下では、1kWhあたり6円になっているのは事実ですし、再エネ比率がピークで80%にもなっているにも拘らず、電気料金が高止まりしているのは何故でしょうか?訳を探ってみました。

なぜ高いのかと言いますと、ドイツの余剰電力の買取制度と賦課金の高騰(再エネ発電の不安定を補うため欧州の他国から電力を買い入れていることなどの負担が大きい)が原因のようです。

 この辺りの事情は、みずほ銀行産業調査部のレポートに説明されています。

米国のTPOモデルとドイツのクラウドコミュニティーモデルとの比較は参考になると思います。

配電線の負担は賦課金の中に含まれるのではっきりしたことは分かりません。言えることは賦課金を低減する手段は一にも二にも蓄電設備にあると言って間違いありません。

また別の情報では次のように説明されています。

「ドイツでは再生エネ普及に伴い電気料金が高騰し、2000年から倍以上になった。生産者から再生エネを買い取る費用をまかなうため、電気料金に上乗せする賦課金の急増が主要因。来年は賦課金が若干減るが、デンマークと並び欧州で最も高い電気料金の状況は変わらない。
 政府は入札による買い取りの大幅導入などの抑制策をとり、今後は賦課金の低下も期待されるが、「手頃な電気料金」実現のため財政負担を求める意見も上がる。一方で電気料金に含まれる送電費も徐々に増大。再生エネに対応した送電網の整備のため、一段の上昇も懸念される。」

 「年間3,500kWh を消費する3人家族の電力価格は1998年のレベルを68%上回ります。この理由の1つには、再エネ賦課金が実施期間中に10倍以上上昇し、電力価格に占める割合が1%から24%に増えたことがあります。再エネ賦課金は卸売価格とそれより高いグリーンエネルギー固定価格(法令により再エネ発電事業者に保証されている)との差額です。系統運営者はこの差額を需要家に転嫁します。大口の法人需要家とは対照的に、一般家庭はすべての賦課金と税金を支払わなければならなりません。」

 一方、日本政府の経済諮問委員会の報告書では、エネルギー転換について「計画経済のような手段では費用がかさみ、非効率だと証明された」と指摘。いかなる形であれ、今後その対応が重要な課題となるようです。

 以上を統合すると賦課金の上昇原因を断つには、再エネ化の最大のネックである発電量の不安定性を補うため大容量蓄電技術の必要性が高まっているということです。

 国際的にもレドックスフロー電池の需要は益々増えていくでしょう。再生エネルギーがベースロード電源の地位を獲得する時代は遠からずくるものと信じております。

日本で初めてブラックアウト(全域停電)が起きた北海道胆振東部地震から1年。
今回、当時の映像や当事者の証言などの解析から、北海道では、医療機関の情報共有システムが機能せず、災害時の患者の転院に混乱が起きるなど「医療崩壊寸前」の状態に陥っていたことが分かってきた。さらに、電気に依存していた物流システムが寸断され長期間にわたって食料品などの供給不足が発生していたことも明らかになった。
首都直下地震が発生した時、首都圏ブラックアウトは起きるのか?内閣府の想定では、電力の供給能力は5割程度に低下し、広域で停電が発生するとされている。地震から生き延びた人たちは、大停電によってどのような危機に見舞われるのか?大停電に備えるためにはどうすればよいのか?シミュレーションドラマを交え、その時への備えを考える。

NHKスペシャル「巨大都市 大停電 〜“ブラックアウト”にどう備える〜」